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UXとは?UIとの違いやCXとの関係性、優れたUXを提供するためのステップを解説

UXとは?UIとの違いからCXとの関係性、優れたUXを提供するためのステップを解説

こんにちは。エンゲージメントソリューション「WOW engage(ワオエンゲージ)」のマーケティングチームです。
今回のテーマは「UXについて」です。

UXは、商品やサービスを通じて得る体験全体を指します。顧客が商品やサービスを「また使いたい」と思えるような体験を提供することは、顧客満足度やリピート率、顧客ロイヤルティの向上などにつながるため、企業にとって大変重要と言えます。

本記事では、UXの意味や要素、UIとの違い、CXとの関係性を整理したうえで、優れたUXを提供するためのステップをわかりやすく解説します。

WOW engage(ワオエンゲージ)
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目次
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  • UX(ユーザー・エクスペリエンス)とは?
  • UXの要素
  • UXがもたらす効果
  • 顧客満足度の向上
  • リピート率の向上
  • ブランド価値の向上
  • ロイヤルカスタマーの獲得
  • UXとUIの違い、CXとの関係性
  • UXが重要視される背景
  • 顧客接点やデバイスの多様化
  • 商品・サービスのコモディティ化
  • 「モノ消費」から「コト消費」への変化
  • 優れたUXを提供するためのステップ
  • ステップ1:現状のUXを評価・把握する
  • ステップ2:「顧客が求めること」を可視化し、顧客にとって良い体験ができるように設計する
  • ステップ3:設計したUXを評価する実行と改善を繰り返す
  • まとめ

UX(ユーザー・エクスペリエンス)とは?

UXとは、ユーザー・エクスペリエンス(User Experience)の略称で、顧客が商品やサービスと接触したときに得られる体験全体を指します。ここでいう体験は、単に商品やサービスを「使う」という行為だけではなく、その過程で感じる快適さや安心感、満足感といった感情的な要素も含まれます。

例えば、顧客がスマートフォンで買い物をする場面を考えてみましょう。「カートに入れる」や「欲しいものリストに追加」などのボタンが、探さなくてもすぐに目に入る場所に配置されていると、顧客はストレスなくスムーズに操作できます。こうした体験を提供することが、優れたUXの実現につながります。

UXの要素

UXを構成する主な要素は以下の4つです。

UXの要素詳細
使いやすさ
(Usability)
顧客が商品やサービスを簡単に理解し、効率的に使用できること
アクセス性
(Accessibility)
商品やサービスの機能または情報にきちんと顧客がアクセスできること
デザイン
(Design)
視覚的に魅力的で、ナビゲーションが明快であること
感情的な反応
(Emotional Response)
顧客が商品やサービスと関わる中で生まれる感情

これらの要素が適切に機能し、顧客がポジティブな体験を得られると、満足度が高まり、企業にとってはリピート購入やブランドへの愛着向上といった大きなメリットをもたらします。

UXがもたらす効果

優れたUXを顧客に提供することで、企業は多くのメリットを得られます。ここでは、特に重要な4つの効果について解説します。

顧客満足度の向上

「使いやすくて快適」と感じられる優れたUXは、顧客にポジティブな体験を提供します。スムーズでストレスのない操作や分かりやすい導線は、商品やサービスへの満足度を大きく高めます。

リピート率の向上

商品やサービスを利用した際の体験が良質であれば、顧客は「また使いたい」と考えるようになります。結果として、リピート購入や長期的なサービス利用へとつながり、安定した売上を確保できます。

ブランド価値の向上

「商品の説明が充実している」「決済までの流れが容易で購入しやすい」といったポジティブな体験は、商品そのものへの満足感だけでなく、ブランド全体に対する好印象や信頼感を生み出します。UXは、企業のブランド価値を高める重要な要素といえます。

ロイヤルカスタマーの獲得

UXが優れていると、満足度の高い顧客は「他の人にもすすめたい」と自発的にブランドを推奨するようになります。その結果、口コミや紹介によって新たな顧客が自然に増え、広告費を抑えつつ効率的に顧客基盤を拡大できます。

このように、企業が顧客に優れたUXを提供することは、単なる顧客体験の向上にとどまらず、企業の成長や収益性の向上にも直結する重要な取り組みなのです。

UXとUIの違い、CXとの関係性

UXを理解するためには、UIやCXとの違いや関係性を把握しておくことが必要です。

UI(ユーザー・インターフェース)とは、ユーザーが商品やサービスを操作・閲覧する際に直接触れる部分を指します。具体的には、画面デザインやボタン配置、メニュー構成などが該当します。

一方、UX(ユーザー・エクスペリエンス)はUIを含みつつ、操作性やデザインだけでなく、利用後の印象や感情、ブランド全体に対する体験までを含む、より広い概念です。

さらに近年では、UXを包括する概念としてCX(カスタマー・エクスペリエンス)が注目されています。CXは、顧客が企業とのあらゆる接点を通じて得る総合的な体験を指し、UXはその一部に位置づけられます。

CXとは?

CXとは、カスタマー・エクスペリエンス(Customer Experience)の略称で、顧客が企業やブランドとの接触全体を通じて得る顧客体験のことを指します。簡単にいえば、顧客が企業のサービスを通じて感じる総合的な印象や満足度を意味すると考えてよいでしょう。
企業はビジネスを行う上でさまざまな目標を掲げています。しかし、どの企業においても本質的に目指す姿は共通で、それは「顧客に心地よい体験を提供することでブランドの価値を高め、顧客のロイヤルティを向上させる」ことではないでしょうか。これは単に製品やサービスだけでなく、広告、購入体験、カスタマーサポート、アフターケアなど、顧客が企業と触れ合うすべてのポイントを含みます。

CXとは?UXやCSと何が違う?顧客体験を向上させるステップを解説

CXを向上させるためには、より深く顧客を理解する必要があり、そのためには顧客データの収集と分析が欠かせません。顧客データの分析については、以下のコラムで詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

顧客データをマーケティングで有効活用するには?収集・分析・管理方法も解説

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UXが重要視される背景

優れたUXを提供することが重要だと言われるようになった背景には、顧客行動や市場環境の大きな変化があります。その代表的な3つの要因を紹介します。

顧客接点やデバイスの多様化

Webサイト、アプリ、広告、SNS、AIチャットなど、企業と顧客の接点はかつてないほど多様化しています。さらに、スマートフォンやタブレットの普及により、顧客はいつでもどこでも商品やサービスに関する情報を入手し、体験できるようになりました。

このような環境の変化により、接点ごとに分断された体験では顧客満足度を高めることが難しく、企業は一貫性のあるスムーズな体験を顧客に提供することが求められています。

商品・サービスのコモディティ化

近年は市場競争が激化し、自社の商品やサービスが他社と差別化しにくい「コモディティ化」が進んでいます。機能や価格だけでは競争に勝てなくなり、顧客に選ばれるためには新たな価値を感じてもらう工夫が不可欠です。

その手段のひとつが優れたUXの提供であり、商品やサービス自体の性能だけではなく、利用する中で得られる体験そのものが差別化のポイントになりつつあります。

「モノ消費」から「コト消費」への変化

昨今、モノそのものを所有することよりも、そのモノを通して得られる体験や経験(コト)に価値を見いだす傾向が強まっています。

例えばカーシェアリングは、車(モノ)を所有するのではなく、移動手段(コト)へのニーズに応えるサービスです。同様に、自転車やベビーカー、家電などのシェアリングサービスも拡大しており、顧客が重視するのは「商品そのもの」ではなく、「商品を通じて得られる便利さや快適さ」です。

こうした変化に対応するため、企業はUXを重視し、顧客がより良い体験を得られるよう取り組むことが不可欠になっています。

優れたUXを提供するためのステップ

顧客が商品やサービスを通じてポジティブな体験を得られるようにするため、以下のステップを順に確認していきましょう。

ステップ1:現状のUXを評価・把握する

まずは、現在のUXを正確に評価・把握することから始めます。以下の方法を組み合わせることで、顧客が感じている課題や不満点を明らかにできます。

ユーザーリサーチ

インタビューやアンケートを通じて、顧客のニーズや満足度を直接ヒアリングします。顧客視点の生の声を収集することで、改善の方向性が見えてきます。

ユーザビリティテスト

商品やサービスを実際に顧客に使ってもらい、その様子を観察・記録します。操作がスムーズにできているか、どの場面で迷いや不満が生じているかを把握し、具体的な問題点を特定します。

フィードバックの収集

Webサイトやアプリ内にフィードバック機能を設置し、顧客が簡単に意見を送れる環境を整えます。星マークによる評価や自由記述の意見フォームなどがよく利用される手法です。

ツールを利用した分析

Google Analyticsなどの解析ツールを使い、PV(ページビュー)やセッション数、滞在時間、離脱率などを分析します。数値データをもとに、顧客行動を客観的に把握できます。

ビジネスの意思決定をデータに基づいて行うために役立つ分析ツールについては、以下のコラムで詳しく解説しています。
データドリブンとは?企業のマーケティングを成功に導くステップを解説

さらに深く顧客一人ひとりを分析するには、顧客データの統合・分析が可能なCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)などもおすすめです。ユーザーが抱えている課題やニーズを具体化するのに役立ちます。

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ステップ2:「顧客が求めること」を可視化し、顧客にとって良い体験ができるように設計する

ステップ1で得た分析結果をもとに、顧客が本当に求めていることを明確にしていきます。顧客の課題やニーズを整理し、目指すべきUXを設計するためには、以下の手順で進めるのが効果的です。

1.目的の決定

まずは、「なぜこのUX改善に取り組むのか」という目的を明確にします。ゴールを定めることで、改善活動全体の方向性が定まり、チーム全体で共通認識を持ちながら進められます。

2.ペルソナの設定

顧客を抽象的な「ユーザー」として捉えるのではなく、具体的な人物像としてイメージします。年齢、職業、ライフスタイル、価値観などを設定することで、顧客視点での意思決定がしやすくなります。

3.カスタマージャーニーマップの作成

顧客が企業と接触する各ポイントを時系列で整理し、それぞれの段階で顧客がどのような体験をしているのか、どのような課題を抱えているのかを可視化します。これにより、UX全体の流れを俯瞰でき、改善すべきポイントが明確になります。

4.実行する施策の決定

顧客が求めていることを可視化できたら、それを解決するための具体的な施策を考案します。マインドマッピング※やブレインストーミング※、プロトタイピング※などの手法を活用して複数の施策アイデアを出し、優先度の高いものからテストしていくのが一般的です。

※マインドマッピングとは、情報やアイデアを視覚的に整理するための手法です。テーマや主題を中心に配置し、そこから関連するアイデアやトピックを放射状に展開していくことで、情報の関係性や構造を明確にします。

※ブレインストーミングとは、創造的なアイデアや解決策を生み出すためのグループ活動の一つです。この手法は、特定の問題に対して自由に意見を出し合うことを目的としています。

※プロトタイピングとは、製品やシステムの設計段階において、実際の完成品を作る前に試作品(プロトタイプ)を製作し、その機能やデザイン、使い心地などを検証する手法です。

これらの手順を踏むことで、顧客にとって本当に価値のある体験を設計でき、UX改善の成功につながります。

ステップ3:設計したUXを評価する実行と改善を繰り返す

ステップ2で立案したアイデアをもとにUXを設計し、施策の実行後は顧客からフィードバックを集めます。アンケートやレビュー、サービス内での評価機能などを活用し、顧客が感じた使いやすさや不便さを直接確認することが大切です。

また、顧客のサービス利用状況や行動データを観察・分析し、設計したUXが顧客のニーズに合致しているかを評価します。例えば、利用率や離脱率、継続率といった指標を追いながら、期待どおりの成果が出ているかを確認します。

顧客の心理や行動は常に変化しており、時代や社会情勢の変化によって利用環境も大きく変わります。そのため、一度の実行で終わらせず、ステップ1からステップ3を継続的に繰り返すことが重要です。

さらに、UX改善はUIやマーケティング施策だけでなく、商品やサービス自体の見直しにもつながります。顧客から得たフィードバックを活かし、機能や提供価値そのものをブラッシュアップすることで、より良い顧客体験を継続的に提供できるようになります。

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まとめ

UXは商品やサービスを通じて得る体験全体を指す言葉です。顧客にポジティブな体験が提供できた場合は、顧客満足度やリピート率、顧客ロイヤルティの向上につながります。

企業にとって、顧客に優れたUXを継続的に提供していくことがビジネス成長には不可欠です。本記事で解説したステップをもとに、ぜひUXの設計に取り組んでみてください。

また、UXの実行と改善を繰り返す際、課題の把握にはWebサイトやアプリの解析だけではなく、顧客一人ひとりの購買データや行動データなどを細かく分析し、顧客理解を深める必要があります。自社の顧客データがバラバラに管理されている場合は、まずは一元管理できる環境を整備することもご検討ください。

当社のエンゲージメントソリューション「WOW engage」は、企業が持つ顧客データを統合・分析し、マルチチャネルで顧客へメッセージを届けることが可能です。顧客データの統合や活用に関するお問い合わせなど、お気軽にご相談ください。

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コラム執筆:株式会社WOW WORLD 奥本 昌子

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