コラム
マーケティング担当者に役立つコラム一覧

セグメントとは?意味や使い方、マーケティングでの活用例を解説

セグメント

こんにちは。エンゲージメントソリューション「WOW engage(ワオエンゲージ)」のマーケティングチームです。
今回のテーマは「セグメントについて」です。

セグメント(segment)とは、「区切り」「部分」をあらわす言葉で、さまざまな業界で使う用語です。マーケティングでは、市場や顧客を、年齢・地域・興味関心などの軸で分類したグループのことを指します。

セグメントは、商品やサービスのマーケティング戦略を立案する際や、宣伝・プロモーションを行う際などに重要です。

本記事では、セグメントの意味や使い方、セグメントを分ける目的、マーケティングでの活用例をわかりやすく解説します。

目次
非表示にする
  • セグメントとは?
  • セグメントとターゲットの違い
  • セグメントに分ける目的
  • 代表的な分類方法
  • 地理的変数:ジオグラフィック変数
  • 人口動態変数:デモグラフィック変数
  • 心理的変数:サイコグラフィック変数
  • 行動変数:ビヘイビア変数
  • 企業特性セグメンテーション:ファーモグラフィック変数
  • セグメントの有効性を評価する「4R」
  • Rank:優先順位
  • Realistic:規模の有効性
  • Reach:到達可能性
  • Response:測定可能性
  • 顧客セグメントの使い方
  • メールのセグメント配信
  • プッシュ通知のセグメント配信
  • 正しくセグメントに分けるには緻密な顧客管理が重要
  • 顧客管理・セグメント・コミュニケーションすべてが可能な「WOW engage」
  • 顧客セグメントの活用例
  • アパレルECサイトの例
  • 保険サービスの例
  • まとめ

セグメントとは?

セグメントは「区切り」「部分」をあらわす言葉で、さまざまな業界で使う用語です。

マーケティング領域においては、市場や顧客を、年齢・地域・興味関心などの軸で分類したグループのことを指します。また、市場や顧客を分類することを「セグメンテーション」と呼びます。

それぞれのセグメントに適したマーケティング戦略を立案することで、顧客ニーズにあった施策を打つことができ、ROI(費用対効果)を向上させることができます。

セグメントとターゲットの違い

セグメントとターゲットは、マーケティングにおいて重要な用語であるため、混同せずに理解しておきましょう。

ターゲットとは、セグメンテーションしたなかから、さらに細分化して狙いたい市場や顧客のグループを指します。セグメンテーションして、さらに絞り込んでいくプロセスを「ターゲティング」といいます。

マーケティングで活用する際は「セグメンテーション」→「ターゲティング」の順に行います。この流れは、マーケティング分析手法である「STP分析」に該当します。

STP分析とは

STP分析は、参入する業界・マーケットで、どのような立ち位置を取るべきかを把握できるフレームワークです。

「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の頭文字を取っています。

市場や顧客を分類して狙いを定め、他社との違いを明らかにし、自社の立ち位置を明確にすることで効果的なマーケティング戦略を立てられます。

マーケティング分析とは?フレームワーク10選と手順を解説

セグメントに分ける目的

近年、市場の成熟化により顧客ニーズが多様化しているため、数ある商品のなかから自社商品やサービスを選んでもらうには、差別化や独自性を獲得することが重要です。先述したSTP分析のポジショニングによって、競合他社との差別化ポイントを発見できます。

さらにマーケティング戦略や商品開発などで成功するには、市場や顧客をセグメンテーションしたうえで顧客のニーズなどを掘り下げる必要があります。セグメンテーションによって、顧客ニーズや自社商品・サービスの活用シーンをより深掘りしやすくなるからです。どのセグメントに対して、どのように自社の商品やサービスを届けるべきかが明確になります。

また、セグメント化によって興味関心のある確度の高いユーザーに訴求できます。自社商品やサービスに適したユーザーに広告を出せるので、無駄なコストをかける必要がなくなり、ROIを向上できるでしょう。

代表的な分類方法

セグメンテーションでよく用いられる分類方法は、以下の5つです。

● 地理的変数:ジオグラフィック変数
● 人口動態変数:デモグラフィック変数
● 心理的変数:サイコグラフィック変数
● 行動変数:ビヘイビア変数
● 企業特性セグメンテーション:ファーモグラフィック変数

ひとつずつ解説します。

地理的変数:ジオグラフィック変数

地理的変数(ジオグラフィック変数)は、住んでいる地域や気候、人口密度といった地理的要素で分類する変数です。

例えば「東京都世田谷区の在住者」「勤務地が大阪府大阪市」など地域や地理的な要因から市場をセグメントします。

この変数は、アパレルや家電、食料品など気候によって特性が異なる商品などのセグメンテーションに適しています。BtoB向けの商品やサービスの場合は、本社や店舗がある地域の特性からセグメントを作成するとよいでしょう。

【地理的変数(ジオグラフィック変数)の要素】

地域、国、都市、気候など

人口動態変数:デモグラフィック変数

人口動態変数(デモグラフィック変数)は、年齢や性別、職業、所得といった客観的指標で分類します。

「営業職の20代男性」「子供がいる40代女性」など人口統計学的な特性から分類するため、セグメンテーションの初期段階で多く用いられる基本的な変数です。他の変数とあわせて用いることも多く、最も使われている変数といえます。

【人口動態変数(デモグラフィック変数)の要素】

年齢、性別、収入、教育水準、家族構成など

心理的変数:サイコグラフィック変数

心理的変数(サイコグラフィック変数客観的)は、趣味や嗜好、価値観など心理的な観点で分類する変数です。インタビュー調査、アンケート調査などで収集したデータなどから分類します。

購買者のライフスタイル、価値観、興味などの心理的な特性から市場をセグメンテーションし、顧客ニーズや購買動機などを理解する際に用いられます。健康食品や化粧品、旅行などの商材に適しています。

【心理的変数(サイコグラフィック変数)の要素】

趣味、ライフスタイル、価値観、意識層、パーソナリティなど

行動変数:ビヘイビア変数

行動変数(ビヘイビア変数)は、ユーザーの行動パターンや反応などからセグメンテーションする変数です。

ECサイトでの購買履歴や商品の閲覧履歴、使用頻度、店舗への来店回数など行動パターンから分類します。例えば、ECサイトで買い物かごに商品を入れたまま、購入せずに離脱したユーザーにメール配信やクーポン配布を行うといった施策に活用できます。Webサイトなどの顧客セグメントの作成に使うことが多い変数です。

【行動変数(ビヘイビア変数)の要素】

購入履歴、閲覧履歴、購買頻度、製品の使用頻度、ブランド忠誠心、商品満足度など

企業特性セグメンテーション:ファーモグラフィック変数

企業特性セグメンテーション(ファーモグラフィック変数)は、企業の業種や規模、販売チャネルなどの特性にもとづいたセグメンテーション方法です。

BtoBマーケティングで用いられ、企業や組織が持つ特性や顧客ニーズから市場を分割します。

【企業特性セグメンテーション(ファーモグラフィック変数)】

企業の規模、業種、購買力、課題やニーズなど

セグメントの有効性を評価する「4R」

セグメントの有効性を評価するためには、多角的な視点から判断する必要があります。そこで役に立つのが、以下の「4つのR」です。

● Rank:優先順位
● Realistic:規模の有効性
● Reach:到達可能性
● Response:測定可能性

4つのRをそれぞれ解説します。

Rank:優先順位

Rankは、セグメントの重要度によって優先順位をつける指標のことです。マーケティング戦略において、セグメントの重要度や優先順位を評価します。

マーケティングリソースを効果的に割り当てたり、重点的なアプローチを決定したりするために用いられます。

Realistic:規模の有効性

Realisticは、あるセグメントをターゲットにした場合に、実際に売上や利益がどの程度見込めるのか、市場から規模を判断する指標です。

分類した顧客セグメントのニーズに自社商品が適していたとしても、顧客セグメントの市場規模が小さい場合は、採算が取れないことがあります。顧客セグメントに対して施策を実施することが実現可能かを評価し、現実的な目標を設定する際に役立ちます。

Reach:到達可能性

Reachは、セグメント全体に商品やサービスを届けられるか、また顧客セグメントにどれだけ訴求できるかを評価する指標です。

顧客セグメントに商品やサービスを届けるだけではなく、情報やプロモーションを届けるための手段があるのかを判断します。

例えば、海外市場で商品やサービスを販売する際に「配送の体制や、現地で対応できる人材の配置など組織の構築が可能か」「顧客セグメントに十分に訴求できるか」などの課題をクリアできなければ、商品の販売や効果的なプロモーションの実施が難しくなるでしょう。

Response:測定可能性

Responseは、施策に対して顧客の反応を測定できるかを評価する指標です。

「顧客が商品に対して不満を感じていないか」「商品やサービスがどのような影響を与えたのか」などを測定できるかを判断します。セグメント顧客の反応を確認することで、マーケティング戦略の成功や改善点を見つけ出し、今後のマーケティング施策に活かすことができます。

顧客セグメントの使い方

ここからはマーケティングコミュニケーションに焦点を当てて、顧客セグメントの有効な使い方を2つご紹介します。

メールのセグメント配信

購買データや行動データなどをもとに顧客をセグメンテーションし、そのセグメントに対しより興味や関心の高いと思われるコンテンツをメール配信します。

アパレルのECサイトであれば、例えば「30代女性」「特定の商品ページを○回以上閲覧」というユーザーに対して、同じ年代のスタッフの着用写真とレビューをメールで送ることで、よりマーケティング効果が得られやすくなります。

また、興味や関心が低く、ユーザーが「自分と関係ない」と感じるメールを配信し続けてしまうと、メールマガジンの解除や受信拒否の件数が増えてしまいます。セグメント配信することで、そのようなオプトアウト(購読解除)を抑制することにもつながります。

プッシュ通知のセグメント配信

特定のコンテンツに興味・関心のある顧客をセグメントし、ブラウザやアプリのプッシュ機能で通知する方法も有効です。

ブラウザプッシュとは、Google ChromeなどをはじめとしたWebブラウザ経由で、あらかじめ通知を許可したユーザーのPCやスマートフォンなどにメッセージ(プッシュ通知)を届け、Webサイトへの再来訪を促進できる機能です。たとえば「商品ページ」でオプトイン(購読登録)した人には新商品のメッセージを、「スタッフブログのページ」でオプトインした人には最新のブログ記事の紹介を配信するといった運用を行うことで、よりユーザーの反応率を高めることができます。

またアプリプッシュとは、アプリをインストールしているユーザーに対し、新着情報やプロモーション情報を通知し、アプリへの来訪を促すことができる機能です。顧客属性に応じたセグメント配信はもちろん、アプリプッシュでは「最終アプリ起動日」を起点にセグメントを行うことも有効です。たとえば1日前のユーザーには限定キャンペーンを通知し、1か月前のユーザーには「おかえりクーポン」などの休眠掘り起こし特典を通知するといった施策によって、よりマーケティング効果を高められます。

正しくセグメントに分けるには緻密な顧客管理が重要

顧客管理で課題となるのが、データのサイロ化です。データのサイロ化とは、部署やツールなどによってデータが分散して管理されてしまい、連携や共有できないことを指します。企業内で顧客データがバラバラに存在してしまうサイロ化状態では、正確なセグメンテーションが困難です。

データのサイロ化とは

データのサイロ化とは、企業にとって有効なデータが分散して保管され、活用すべき場所へ連携・共有がされていない状態を指します。

データのサイロ化が発生すると、データの重複や不整合が起こり、データの信頼性や正確性が低下するだけでなく、データの利活用においても問題を引き起こします。

たとえば、マーケティング施策をおこなう際、まずはターゲットを定め、ターゲットに合ったアプローチが求められます。しかし、データのサイロ化が生じていると、信頼性や正確性のあるデータではないためターゲットの正しい把握や最適なアプローチができません。

データのサイロ化が進むと、情報の共有不足により作業が増加し、組織内のコミュニケーションが妨げられ、全体の情報を総合的に判断できなくなります。結果的に、戦略的な意思決定に遅延が生じるリスクが高まります。
特に、競争の激しいビジネス環境では、迅速な対応と正確な情報が求められるため、データのサイロ化は深刻な問題です。

サイロ化とは?データのサイロ化がもたらすリスクと解消手順を解説

データのサイロ化を解消し、顧客データを正確に管理したいときはCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)の導入がおすすめです。CDPとは、企業が保有している顧客データや行動データを統合・分析できるプラットフォームです。CDPで顧客データを統合することにより、スムーズなセグメンテーションが可能となります。

CDPとは

CDPとは、「Customer Data Platform(カスタマー・データ・プラットフォーム)」の略称で、企業が持つ顧客データや行動データなどを統合、分析し、マーケティング等の施策に活用するためのプラットフォームです。

顧客一人ひとりのWebサイトの閲覧履歴や位置情報、購買行動など各システムから取得したデータを収集し、「どのようなコンテンツに興味があるのか」「どのようなアプローチをすればロイヤルティが高まるか」などを分析し、最適な施策を見出すことができます。そして、メッセージ配信ツール等と連携することによりそれらの施策を実行し、マーケティング効果を最大化することが可能です。

昨今、人々が接触する情報量は爆発的に増加し、企業と顧客とのコミュニケーションも多様化しており、すべての顧客に同じアプローチをしても効果を出すのが難しくなってきています。そのため、顧客を深く理解し、自社のマーケティングを強化できるCDPの重要度が高まっています。

CDPとは?DMPやCRMと何が違う?導入メリット、活用例を解説

顧客管理・セグメント・コミュニケーションすべてが可能な「WOW engage」

前述のとおり正しくセグメントを分類するには、企業にある顧客データを統合し一元管理することが重要です。

当社のエンゲージメントソリューション「WOW engage(ワオエンゲージ)」なら、CDPによる顧客データの統合から顧客分析、そしてメールやSMSなどのメッセージ配信まで、ワンストップで実現します。

CDPで統合した顧客データをセグメンテーションし、それらの顧客について深く理解したうえで施策を決定し、適切なチャネルでコミュニケーションを実施することで、マーケティングの効果を高めることが可能です。

エンゲージメントソリューション「WOW engage」でできること、導入メリット、主な機能など、
詳しい資料(PDF)をご確認いただけます。

資料をダウンロードする

顧客セグメントの活用例

顧客データをセグメンテーションし、顧客について理解を深めることで企業が持つマーケティング課題の解決につながります。以下にて、活用例をご紹介します。

アパレルECサイトの例

【企業の課題】

● 期間内(季節内)に商品の在庫を売り切り、売上に変えなければいけない
● メールやLINEなどを配信しすぎてしまうと、オプトアウト数やブロック数が増加してしまう

【課題の解決】

● 顧客の行動データや購買データから各顧客の趣味嗜好を分析し、セグメントする
● 各セグメントに属する顧客の興味・関心を理解し、それに合わせたコンテンツをメール配信

例えば、あるブランドの洋服を購入したことがある顧客や、そのブランドが掲載されているWebページを複数回閲覧したことがある顧客をセグメントします。そして、そのブランドの新作情報やSALE情報をタイムリーにメールで配信することで、購買意欲を高めることができます。
メール配信の効果を高めるには、顧客とのコミュニケーションの質を向上させることが大切です。

EC・小売業界のマーケティング課題はWOW engageで解決

課題解決を見る

保険サービスの例

【企業の課題】

● 保険商品は満期のタイミング以外で、新規の契約を伸ばすことが容易ではない
● 顧客との関係維持のために日常的にコミュニケーションを取っているが、新規契約につなげるのが困難

【課題の解決】

● 顧客データから年代や世帯収入でセグメントし、「年代ごとに加入する傾向の高い保険商品」を分析
● 顧客に関係性の高い保険商品をおすすめできるようになる

まず、顧客を年代や世帯収入でセグメントします。
そして、セグメントした顧客と同世代の顧客から選ばれており、かつその顧客が未契約の商品の紹介メールを「お役立ちコラム」と一緒にお届けします。この際、ライフプランナー名で配信することでより信頼感を高めることができます。
その後もメール経由の顧客の行動を確認し、開封やクリックなどの反応がある顧客には電話で連絡するなどの対応を行うことで効率的に新規契約へつなげることができます。

保険業界のマーケティング課題はWOW engageで解決

課題解決を見る

まとめ

マーケティングにおけるセグメントの解説と、セグメント分けすることで、商品やサービスの差別化を図れるようになるほか、顧客ニーズに適したマーケティング戦略の立案や、施策の実施が可能になることを紹介してきました。

ぜひ、本記事を参考にセグメント分けの精度を上げ、マーケティング効果を高める施策を始めてみてください。

north

お気軽に
ご質問・ご相談ください

「顧客データがうまく活用できていない」、「顧客データの統合に不安がある」
いま抱えている問題・課題など、まずはお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。
オンラインでのご説明も可能です。
TELでのお問い合わせ
10:00-18:00(土日祝を除く)
0120-569-248
「顧客データがうまく活用できていない」、
「顧客データの統合に不安がある」
いま抱えている問題・課題など、
まずはお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。
オンラインでのご説明も可能です。