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サイロ化とは?データのサイロ化がもたらすリスクと解消手順を解説

サイロ化とは

こんにちは。エンゲージメントソリューション「WOW engage(ワオエンゲージ)」のマーケティングチームです。
今回のテーマは「データのサイロ化について」です。

サイロ化とは、組織、システム、データが分断され、連携されずに孤立している状態を指します。それぞれ、「組織のサイロ化」、「システムのサイロ化」、「データのサイロ化」と呼ばれています。

企業内の各部門が最適なシステムやデータを使用していても、他の部署や担当者に連携・共有されなければ、さまざまな問題が発生してしまいます。企業のデータ活用が重要視される今、サイロ化を解消することは多くの企業の課題となっています。

本記事では「データのサイロ化」について、原因と問題点、解消手順、解消メリットなどをわかりやすく解説します。

目次
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  • サイロ化とは?
  • サイロ化の種類
  • 組織のサイロ化
  • システムのサイロ化
  • データのサイロ化
  • データのサイロ化が起こる原因と問題点を解説
  • データのサイロ化が起こる原因
  • データのサイロ化の問題点
  • データのサイロ化の解消手順
  • 手順1|各部署が作成・保存しているデータを把握する
  • 手順2|データを統合する
  • 手順3|データ保存場所を一元化する
  • 手順4|データのアクセス権限設定をおこなう
  • データのサイロ化を解消するメリット
  • 社内データの価値向上につながる
  • 生産性の向上につながる
  • 顧客満足度向上・売上向上につながる
  • サイロ化の解消とマーケティング施策に役立つ「WOW engage」
  • まとめ

サイロ化とは?

サイロ化の「サイロ(silo)」という言葉の意味は、農業や工業現場において、各種物資を貯蔵するための倉庫を表します。それぞれのサイロは独立しており、サイロ内では物資が混ざらないように壁で隔てられています。

この様子から、組織やシステム、データが連携されずに孤立している状態をサイロ化と呼ぶようになりました。

組織内がサイロ化された状態では、データや情報が分断され、データの重複や不整合が生じるだけでなく、正確な情報の把握が困難となり、業務効率の低下を引き起こします。

特に、マーケティング施策をおこなう場合は、顧客情報やキャンペーン情報などが分断されると最適なアプローチができず、売り上げに影響を及ぼす可能性があります。

多くのデータが飛び交う昨今、サイロ化の解消は、企業や組織運営において重要な課題の1つです。

サイロ化の種類

サイロ化には、以下3種類があります。

  • 組織のサイロ化
  • システムのサイロ化
  • データのサイロ化

業務をスムーズにおこなうには、サイロ化の解消が必要です。各サイロ化の特徴を知り、頭を悩ませているサイロ化がどの種類に該当するか確認しましょう。それでは順に解説します。

組織のサイロ化

組織のサイロ化とは、組織が縦割り構造になることで部署間やチーム間の連携が取れていない状態を指します。

組織の規模が大きくなるほど、部門間の情報共有が困難となり、サイロ化が発生しやすくなります。また、組織のサイロ化は、一般的に「風通しの悪い組織」ともたとえられ、情報が一部に集まることから、情報操作や内部不正が起こりやすくなるとも言われます。

このように、組織のサイロ化が進行すると組織内のコミュニケーションが滞り、組織全体の効率やイノベーションが阻害されるだけでなく、経営にも深刻な問題を引き起こします。

システムのサイロ化

システムのサイロ化とは、企業内の各部門が異なるシステムを利用することで情報が分断され、各システムで独自のデータとして管理されてしまう状態を指します 。

たとえば、営業部とマーケティング部が別のシステムで顧客情報を管理している場合、それぞれのシステムで顧客情報が管理され、重複や不整合が生じる可能性があります。互いにアクセス権限がないためデータを閲覧できないことはもちろん、データを統合しようとしても項目や内容の粒度が異なるためうまくいかないなど、さまざまな問題が生じます。

システムのサイロ化は、情報が分散されるだけでなく、会社全体の連携が取れなくなり、業務プロセスの改善が困難になるというリスクも併せ持っています。

データのサイロ化

データのサイロ化とは、企業にとって有効なデータが分散して保管され、活用すべき場所へ連携・共有がされていない状態を指します。

データのサイロ化が発生すると、データの重複や不整合が起こり、データの信頼性や正確性が低下するだけでなく、データの利活用においても問題を引き起こします。

たとえば、マーケティング施策をおこなう際、まずはターゲットを定め、ターゲットに合ったアプローチが求められます。しかし、データのサイロ化が生じていると、信頼性や正確性のあるデータではないためターゲットの正しい把握や最適なアプローチができません。

データのサイロ化が進むと、情報の共有不足により作業が増加し、組織内のコミュニケーションが妨げられ、全体の情報を総合的に判断できなくなります。結果的に、戦略的な意思決定に遅延が生じるリスクが高まります。
特に、競争の激しいビジネス環境では、迅速な対応と正確な情報が求められるため、データのサイロ化は深刻な問題です。

データのサイロ化が起こる原因と問題点を解説

本コラムでは、前述した3種類のサイロ化のなかでも、企業のマーケティングへの影響が大きい「データのサイロ化」について原因と問題点を解説します。

データのサイロ化が起こる原因

データのサイロ化が起こる原因は以下3点です。

  • 縦割りの組織で、それぞれの部署が別の場所にデータを保存しているため
  • 部署ごとに使用するシステムが異なるため
  • データ保存に関するルールとデータ内容の把握ができていないため

順に解説します。

縦割りの組織で、それぞれの部署が別の場所にデータを保存しているため

データのサイロ化が起こる原因の1つに、それぞれの部署が別の場所にデータを保存していることが挙げられます。

部署ごとでのデータ管理は、それぞれ自部署が求める情報を簡単に取り出せるようになりますが、他部署との情報共有ができません。部署ごとにデータの保存場所を決めると全体最適化ができず、組織全体のデータ活用が阻害されます。

またこのような場合、他部署にデータを共有する際はメールやチャットでの送付が多く見られますが、添付された資料は、またそれぞれの部署で管理されるようになり、よりサイロ化を進行させる要因となってしまいます。

部署ごとに使用するシステムが異なるため

サイロ化には「組織のサイロ化」「システムのサイロ化」「データのサイロ化」があると前述しましたが、2つ目の「システムのサイロ化」は、「データのサイロ化」に直結するケースが多くあります。 「現システムでは欲しい機能がない」「使いこなせない」との理由から、各部署でそれぞれのニーズに合わせてシステムを使用していると、データが分断され、情報共有が困難となります。その結果、正確な情報の把握が難しくなるのです。

また、システムから出力したデータ同士を1つにまとめようとしても、項目名が揃っていなかったり出力形式が異なっていたりして、うまくデータ連携することができません。

データ保存に関するルールとデータ内容の把握ができていないため

データの種類や保存場所、保管期間、アクセス権限など、データ保存に関するルールが明確でないと、部署ごとに保存場所が異なったり、同じデータが必要以上に保存されたりして、データの重複や不整合を生じる可能性があります。

そのほか、「そのデータはいつ、誰が、どこで作成したのか」を正確に把握できていないと、部署や個人ごとに異なる名称で同じ内容のデータを保存したり、同じ名称で異なる内容のデータを保存したりしてしまいます。

データのサイロ化の問題点

データのサイロ化が起きたままでいると以下の問題を引き起こします。

  • 施策の意思決定が遅れる
  • データ作成・管理に時間とコストがかかる
  • AIやIoTの活用が遅れる
  • 顧客と円滑なコミュニケーションが取れない


上記の問題は、ビジネスの機会を失うことにつながるため、問題点を詳しく知り、対策することが必要です。

施策の意思決定が遅れる

マーケティング施策を決める際には、必ず材料となるデータが必要です。しかしデータのサイロ化が進んでいると、施策の意思決定に時間がかかってしまいます。

たとえば、顧客情報が複数の部署に分散されている場合、正確な顧客情報を把握するためにまずは各部署や個人に依頼してデータを提供してもらう必要があります。
その後、抜け漏れの確認やデータを作り直すためにさらに時間がかかり、マーケティング施策の意思決定・実行が遅れ、市場の変化に追いつけなくなる可能性が高まります。

データ作成・管理に時間とコストがかかる

データの作成、管理、保守などが各部門やチームごとに重複しておこなわれていると、データを統合するために時間や人的コストがかかります。
各部署が異なる形式でデータを保存している場合は情報の更新により時間がかかるほか、使用するデータの保存場所・作成者がわからないと自分で最初からデータを作成しなければならず、さらに無駄な作業時間が発生し、本来の業務時間が不足します。

AIやIoTの活用が遅れる

AIやIoTを活用した業務改善においては、データの一元管理が不可欠ですが、データが分断されていると、それらを活用したデータの分析や自動化がおこなえず、業務改善の遅れにつながる可能性があります。

AIやIoTの活用により得られるデータが別の部署に共有されなかった場合、データの再利用性が低下する恐れや自動化・効率化するソリューション本来の機能が損なわれる恐れがあります。

AIやIoTの利便性を感じられなくなった場合、ツールを活用しなくなるケースも出てくるでしょう。データのサイロ化を解消せずにいると、ビジネスのイノベーションや競争力向上の機会が制限されてしまいます。

顧客と円滑なコミュニケーションがとれない

異なる部門やシステムに分かれて顧客データが管理されていると、顧客との連絡やサポートが難しくなる場合があります。顧客対応の際、顧客のニーズや要望を的確に把握できていないと、効果的なコミュニケーションがおこなえないからです。

また、複数部署が特定の顧客とやり取りしている場合、各部署がやり取りした内容を社内で情報共有していないと、顧客と円滑なコミュニケーションがとれなくなるだけでなく、企業に対する不信感にもつながりかねません。
社内で施策を立てても効果を発揮しなくなる可能性があるため、早急にデータのサイロ化を解消する必要があります。

データのサイロ化の解消手順

組織内でのデータのサイロ化を解消し、効果的なデータ活用を実現するためには、以下の手順に従い、順を追って進めることが重要です。

  1. 各部署が作成・保存しているデータを把握する
  2. データを統合する
  3. データ保存場所を一元化する
  4. データのアクセス権限を設定する

それでは、順に解説します。

手順1|各部署が作成・保存しているデータを把握する

まず、組織内の各部署がどのようなデータを作成・保存しているか把握するところから始めます。データの種類や内容、保存方法や保存場所を詳細に調査し、全体像を理解することが大切です。

データ内容を確認する際は、データ全体の類似性を確かめるほか、データ項目名も確認しましょう。各部署への調査はアンケートを実施し、データ管理担当者や作成者など、関係者の協力が必要です。

データ全体の把握ができたら、次に「どのデータを活用するか」を決定します。データの洗い出しは、無駄な作業の明確化につながるため必ずおこなってください。

手順2|データを統合する

異なる部署やチームの保有するデータを統合することで、データの一元化が実現します。類似のデータや情報が複数存在する場合、重複を排除し、正確な情報を保持することがデータのサイロ化解消の一歩です。

もし、複数の類似データに過不足がある場合、網羅的な1つのデータにまとめるとよいでしょう。このとき使用しなくなるデータやシステムを廃止すれば、担当者の作業時間捻出、コストダウンにつながります。

また、顧客管理のみならず、見込み客リストやオフラインデータを蓄積している場合は、『CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)』のツール活用がおすすめです。データ統合と効率アップが期待できます。

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手順3|データ保存場所を一元化する

手順1・手順2で明らかになった『全社的に共有が必要なデータ』は1か所に保存し、フォルダ共有で重複管理を防ぎましょう。メールやチャットでのデータ送付はせず、フォルダで共有することで、情報の分断化を阻止できます。

手順4|データのアクセス権限設定をおこなう

保存場所の一元化ができたら、最後にデータの機密度・重要度に合わせて利用者を決定し、フォルダのアクセス権限を付与します。これは情報漏洩を防ぎ、セキュリティを確保するためです。

アクセス権限付与と同時に、利用者がスムーズにアクセスできるよう、各データの保存場所とデータ内容を一覧表にして開示します。

また、注意点として、利用者がデータを加工したい場合はダウンロードして使用するルールを定めるほか、元のデータを書き換えないよう閲覧権限の設定やバックアップの設定が必要です。

以上の手順を踏めば、データのサイロ化の解消が可能です。データの保存場所を一元化して、データ管理を効率的におこないましょう。

データのサイロ化を解消するメリット

データのサイロ化が解消されると、組織にはさまざまなメリットが生じます。以下がデータのサイロ化を解消するメリットです。

  • 社内データの価値向上につながる
  • 生産性の向上につながる
  • 顧客満足度向上・売上向上につながる

メリットは業務効率向上から競争力の向上まで多岐にわたります。それでは順に解説します。

社内データの価値向上につながる

データのサイロ化を解消すると、社内データの価値が向上します。データの一元化により企業全体がデータを活用できるようになれば、データの精度が向上し、より高度な分析や洞察が得られるようになります。
これによりデータが利活用され、企業の競争力向上が期待できるでしょう。

たとえば、業務データとコストデータを統合できれば、成果に結びつきにくい業務や付加価値の低い業務を止めて、時間とコストを削減することが可能です。

そのほか、顧客データと店舗の販売データの統合により、店舗における性別や年齢別の売れ筋が分析でき、顧客のニーズにあった商品をプロモーションすることができます。

これまで各部署に散在していたデータを統合することで、新たな施策に活用できたり、これまで実施していた不必要な施策をやめることができたり等、重要な意思決定に役立ちます。

生産性の向上につながる

データのサイロ化解消は、業務プロセスの改善と効率化を実現し、生産性向上に貢献します。
データの一元管理によりデータの重複作成や探す手間といった時間が削減でき、従業員は業務に集中できる環境になるとともに、迅速なデータ更新や修正対応が可能です。

また、データの精度向上は、よりよい施策立案や改善のコア業務時間を増やすだけでなく、各部署との打ち合わせや意見のすり合わせといった社内コミュニケーションの円滑化にもつながります。

顧客満足度向上・売上向上につながる

サイロ化が解消されると、企業や組織は、スピーディーな顧客対応や顧客に求められる商品開発が可能となり、顧客満足度のアップが実現できます。

たとえば、顧客の購入履歴データとアンケート回答結果のデータを一元管理することで、顧客ニーズをより詳しく、かつ具体的に把握できます。これをもとに、顧客一人ひとりに最適化したメッセージ配信やWeb接客などを実施することで顧客満足度が向上し、優良顧客への成長やリピート購入を促進することができます。

このように、サイロ化の解消は顧客満足度の向上と売上の向上に直結し、企業と顧客の両者が喜ぶ結果が期待できます。

サイロ化の解消とマーケティング施策に役立つ「WOW engage」

「WOW engage(ワオエンゲージ)」は、企業が持つ顧客情報や購買情報、Webサイト上の行動履歴などのデータを統合し、統計的因果推論等の手法で分析するCDPです。 多くの企業が悩むデータのサイロ化を解消し、顧客一人ひとりの理解を深め、顧客に喜ばれるマーケティングコミュニケーションを実現します。

「WOW engage」はCDPのみならず、メールやSMSなどのメッセージ配信システムが備わっており、データ統合から分析、マーケティング活動までを一貫しておこなえることが特徴です。

マーケティング活動を成功に導く適切なオンボーディングから、定着化の支援までを丁寧におこなっていますので、安心してご相談ください。

データのサイロ化を解消する「WOW engage」の機能のご紹介

WOW engageの機能を見る

まとめ

サイロ化とは、組織、システム、データが分断され、連携されずに孤立している状態を指します。「組織」、「システム」、「データ」の3種類のサイロ化の中で、本記事では「データのサイロ化」についてわかりやすく解説しました。

データのサイロ化は、人的コストや非効率な業務を生み出すだけでなく、重要な施策の意思決定を遅れさせ、企業や組織に大きなリスクをもたらします。

しかし、手順に従ってサイロ化を解消すれば、社内の業務効率化やスピーディーなマーケティング施策がおこなえるようになり、顧客満足度アップや企業競争力の強化が期待できます。

データのサイロ化はツールで解消できる場合が多く、マーケティング担当者の負荷軽減やコア業務へ集中する時間捻出が可能です。ぜひ、ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

エンゲージメントソリューション「WOW engage」でできること、導入メリット、主な機能など、
詳しい資料(PDF)をご確認いただけます。

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